安倍晋三首相は12月初旬にも、消費税率を10%に引き上げるかどうか、経済再生と財政再建への影響を両にらみしながら最終判断する。現時点では、「ニュートラル(中立)」との立場を崩していないが、先送りすれば、海外からの信用低下を招き、社会保障費は財源不足に陥りかねない。首相の「外堀」は徐々に埋まりつつある。
菅義偉(すがよしひで)官房長官は20日の読売テレビ番組で、消費税率の10%への引き上げに関し「7~9月期の国内総生産(GDP)改定値が出た上で、(首相が)判断する」と述べ、12月8日に予定される改定値発表後に決定するとの見通しを示した。
再増税の判断をめぐっては、8%への引き上げで後退した景気の回復状況を示す同時期のGDP値が鍵となる。
首相は19日、都内の講演で「景気回復の軌道が確かなものか、注意深く見る必要がある。専門家、有識者から意見を集中的に聞く場を設け、徹底的な議論を行い、判断したい」と述べた。昨年と同様、有識者ヒアリングを行い、税率引き上げの判断材料とする考えだ。
菅氏はまた、20日のテレビ東京番組で、経済再生と財政再建に関し「安倍政権は二兎を追って二兎を得る政権だ」と強調した。政府・与党内には、予定通りの引き上げを支持する声が大勢となっており、首相の経済運営は正念場を迎える。(是永桂一)