第2次安倍晋三政権が発足後、看板に据えたのが経済政策の「アベノミクス」だ。金融政策・財政出動・成長戦略を組み合わせた「三本の矢」は円安・株高を誘導、企業業績を回復させる経済効果を生んだ。ただ、持続的な経済成長に不可欠とされる規制改革や財政再建などは道半ばで、今後も多難なかじ取りを迫られそうだ。
週末の東京金融市場は、円相場が1ドル=109円台と約6年ぶりの安値をつけたのを契機に、日経平均株価の終値が1万6321円17銭と、リーマン・ショック後の最高値をつけた。市場関係者は、「これまでのアベノミクスの底上げがあっての水準」と分析する。
政府との共同声明を受けた日銀は昨年4月、大胆な金融緩和を開始。円安誘導により輸出企業を中心に株価が上昇した。機動的な財政出動による需要創出も手伝って景況感が改善、個人消費が高額品を中心に回復した。SMBC日興証券の集計によると、主要企業の平成25年度の最終利益は前年度比で約1・7倍にまで膨らんだ。
ただ、日本経済の再生に向けたハードルは高いままだ。政府は6月に閣議決定した成長戦略の改訂版で、企業の競争力を促す岩盤規制の改革に踏み込んだが着実な実行は担保されていない。債務残高1千兆円超の財政についても、健全化を示す基礎的財政収支の「32年度黒字化」という政府目標はいまだに達成が困難な見通しで、経済成長と財政再建の両立には、依然として課題が山積している。(佐久間修志)