また、円高を起点にした企業や個人のマインドの冷え込みで、「デフレに逆戻りする」との心理が急速に広がれば、縮小方向への逆回転が始まって、黒田日銀が始めた量的・質的金融緩和(QQE)の効果が、あっという間に雲散霧消する懸念も、根強くあると推測できる。現時点で政府・日銀内の多数意見が「円安反対」に変わったわけではないだろう。ゆっくりとしたテンポで円安が進むなら、110円は容認できる水準とみているのではないか。
円安のメリットとデメリットのバランスが、デメリット方向に大きく傾くのは115円を超えたあたりとみている。この水準では、電気・ガス料金が為替変動を反映してかなり値上げされることになり、世論が円安への批判を強める方向になる可能性も出てくる。
円安の動向次第では、今後の財政・金融政策の展開にも大きな影響を与えそうだ。(ロイターニュースエディター 田巻一彦)