1日の東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=110円台をつけ、2008年8月以来約6年1カ月ぶりの円安水準となった。日米金利差の拡大を見込んで円を売ってドルを買う動きが強まった。今年2月以降、一進一退を続けていた円相場は8月下旬以降、急ピッチに円安が進み、9月だけで5円超の下落となった。
午後5時現在は、前日比43銭円安ドル高の1ドル=109円84~86銭。
東京株式市場も円安進行を好感。朝方は日銀短観で大企業非製造業の景況感が悪化したため売りが先行したが、円安が進むと上昇に転じた。ただ、午後に入ると「110円を達成したことによる一服感」(SMBC日興証券の西広市・株式調査部部長)が出て再び下げに転じた。日経平均株価の終値は前日比91円27銭安の1万6082円25銭だった。
外為市場では、利上げ観測が広がる米国と、大規模緩和を続ける日本との金融政策の違いが鮮明になり、金利が高くなりそうなドルを買う動きが進んだ。日銀による追加緩和への根強い期待も円売り圧力となった。
みずほ証券の鈴木健吾・チーフFXストラテジストは110円突破の理由について「上期末で取引を手控えていた為替ディーラーが、下期に入り活発に動き始めた」と分析した。