香港の選挙制度で民主化を求め4日夜、政府庁舎に近いアドミラリティ(金鐘)に集結した数万人の学生ら(河崎真澄撮影)【拡大】
【香港=河崎真澄】香港の金看板でもある「国際金融センター」が揺らぎ始めた。「真の普通選挙」を求めた民主派の学生や市民らの街頭デモが続き、週明け6日以降の金融市場は混乱が予想される。中国が繰り返し武力介入をも示唆して民主派を威圧していることで、「国際金融センターに不可欠な法治の独立性に疑問符がついた」(国際金融筋)との懸念が市場関係者に広がっている。
香港の株式市場はアジアでは東京に次ぐ第2位の規模。市場全体の時価総額は今年6月段階でおよそ24兆香港ドル(約340兆円)にのぼる。特徴は、上場企業の49%が国有商業銀行など中国本土系で占められ、時価総額ベースでも57%までが中国本土系という「中国本土依存型の市場」だ。
ただ、1997年の中国返還後も50年間は、司法独立性など香港の高度な自治を認めた「一国二制度」を保証したことで、中国本土系の企業にとっても信頼性が確保され、日本を含む海外投資家から多額の資金を集めることができた。