次世代エネルギーとして「水素」に関心が高まる中、福岡県糸島市が水素技術を活用した企業誘致に乗り出している。国内最大規模の水素関連製品の検査施設や、水素研究で世界最先端を走る九州大学のキャンパスを擁する同市は全国でも指折りの先進地域だ。政府による水素エネルギー注力を追い風に、地方発の新産業振興を目指す。
「またとないチャンスだと捉えている。この機会を逃したら後はないという思いだ」
糸島市商工振興課の川上重則課長はこう語った。
玄界灘に面した1市2町が合併し、2010年1月に誕生した糸島市は、発足当初から水素エネルギーを産業発展の中核に据えた。きっかけは、九大の移転だった。九大は05年秋から、福岡市中心部にあったキャンパスを、糸島市と隣接する福岡市西区にまたがる「伊都キャンパス」に移し始めた。これに伴い、人口10万の地方都市に最先端の研究施設が立地し始めた。