知的財産で争点の代表例とされるのが、新薬を開発する際の臨床データを独占できる期間の延長だ。製薬大手を抱える米国は延長を主張。これに対し、安価な後発医薬品の普及が妨げられ、医療費が膨らむのを懸念するニュージーランドや新興国が反発している。米国は「ルール適用に猶予期間を設けたり、難病治療薬とそれ以外の薬の保護期間に差をつけたりするなどの妥協案を示したようだ」(交渉筋)が折り合えていない。
一方、日米協議は今回の会合に先立つ事務レベル協議で、日本の牛・豚肉関税に関し「少なからず成果が出た」(甘利氏)もようだ。ただ、今度は米国がチーズを製造する際にできる「ホエー」と呼ばれる乳製品の関税撤廃を求めてきたとみられ、新たな“火種”になる恐れがある。
日米は会合期間中、事務レベル協議を先行させ、地ならしができれば閣僚協議を開く方向だ。ルール分野の遅れは新興国が日米協議の様子見を決め込み妥協案を温存したことが要因でもあるだけに、早期決着が迫られる状況に変わりはない。(西村利也)