カタールのオーレドーの看板を掲げた携帯電話ショップ=ヤンゴン【拡大】
ミャンマー政府は日本の援助を受けて光ファイバーの敷設などでインターネット回線の高速化を図っている。ただ、ミャンマーの場合、電線の整備などが遅れており、家庭にネット回線を引き込むのは容易ではない。政府は携帯電話の普及に力を入れており、16年には携帯電話利用率を80%にまで高めたいとしており、携帯電話でのネット利用が中心になるのは確実だ。
ミャンマーコンピューター連盟(MCF)の統計(13年1月の推計)では、ミャンマーの電話回線数は600万本で、うち携帯が540万本と圧倒的。ネットの普及率も民政移管直後の11年には1%に満たなかったが、現在は25%に上昇した。3年後には人口の半分の2500万人にまで伸びることが予想されている。
◆転売目的で購入も
急速に普及しているものの、現状では回線速度が極めて遅い。ヤンゴン市内でもスマホの通信回線を使って写真やファイルを受信しようものなら、時間がかかるばかりか、途中で回線が切れる。
ミャンマーでは企業や団体もフェイスブックのサイトだけというケースが多いのも、通信速度の遅さに原因があるようだ。
もっとも、改善されるのも早い。数年前はミャンマー語の文字を表示するフォントが携帯電話にインストールされておらず、英語を使っていた人が多かったが、現在はほとんどの携帯電話に最初からフォントが入っている。
さらに最近はミャンマー発のアプリも普及している。なにしろミャンマーは軍政当時から高校の成績優秀者は、優先的に医学部や工学部、コンピューター学部に入学させてきた。今もこうした理系重視の教育は続いており、コンピューター関連の大学卒業生は毎年、6000人超(MCF統計)に上る。