円安による物価押し上げと消費税増税の影響で、物価は急上昇し、実質賃金を大きく押し下げてしまい、増税後の消費需要を冷え込ませた。
第2は、マーケットの一時的なにぎわいが実体経済の回復に結びつくとは限らない点だ。今回の緩和強化は、米国の景気回復や利上げ期待と重なって、ドル高・円安、株高に弾みを付けたが、ウォール街の投資ファンドの投機的思惑に左右される円や日本株価が安定した上昇を続けるはずはない。
2000年代後半の円安・株高局面でも日本はデフレから脱出し損ねた。アベノミクスが株価を押し上げた13年でも、実質的な消費は低迷を続けた。量的緩和=株高=個人消費・設備投資増という米国型の好循環は、慢性デフレ病の日本で容易には実現しないのだ。
金融緩和が実体経済に効き出すには約9カ月かかる、と米連邦準備制度理事会(FRB)幹部から聞いた。