安倍首相が執念を燃やす「法定実効税率」の引き下げ…成果を挙げられるのか? (1/4ページ)

2014.11.9 07:45

企業規模別税負担率

企業規模別税負担率【拡大】

【日曜経済講座】編集委員・田村秀男

 ■不公平税制の抜本改革急げ 法人税減税と経済再生

 景気減速の中、来年10月から消費税率を予定通り引き上げられるかどうか微妙だが、安倍晋三首相は法人に対する法定実効税率(国税・地方税合計の税率)引き下げには執念を燃やしている。法人税減税は成果を挙げられるのか。

 財務省によると、法定実効税率は平成24~25年度37%。米国(40%強)より低いが、ドイツ(29%強)、英国(23%)など欧州に比べると高い。だが、実際に税引き前の最終利益のうちどれだけ国税・地方税を払っているかをみた実効税負担率を法人の規模別にみると、全く話が違う。

 グラフを見よう。銀行大手平均の負担率は25年度19・6%、金融保険業を除く大手企業平均は26・3%だ。中堅企業は同37・9%、中小企業が同39%で「逆累進税率」の構造になっている。銀行は日銀からの超低利の資金供給で、楽々と利ざやを稼げる。資金を日銀当座預金口座に留め置いても、大部分は0・1%の金利がもらえる。特権に応じた税負担とは言えまい。

不公平税制の是正を提起すべきではないか…

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