【北京=本田誠】環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に参加する日米など12カ国は10日、中国・北京で首脳会合を開き、交渉の進展をアピールする声明を採択した。首脳声明で進展を改めて強調したのは、このままでは交渉が失速しかねないとの危機感の裏返しでもある。参加12カ国は日本が合流した昨年に続いて年内合意を断念したが、合意時期を先延ばししても交渉日程はなお綱渡りだ。韓国との自由貿易協定(FTA)交渉で実質的に妥結した中国に自由貿易圏構築で主導権を奪われる懸念も強い。
「交渉の終局がみえてきた。このモメンタム(勢い)を失わないようにしよう」。安倍晋三首相は会合で、各国にこう呼びかけた。
会合で参加国の首脳が腐心したのは、交渉の合意に向けた機運をいかに維持するかだ。TPP交渉は日本が合流する以前にもすでに2回、合意の目標時期を延期した経緯がある。このまま交渉が長期化すれば、先進国と新興国の対立で事実上暗礁に乗り上げた世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の二の舞いとなりかねない。
米通商代表部(USTR)のフロマン代表が8日の閣僚会合で合意の目標時期を来年2月と提案したのは、今後の政治日程などを考慮したためだ。TPP交渉は合意しても、協定文の作成や国内法との整合性の確認などで各国が署名にこぎ着けるのに少なくとも3カ月はかかる。議会の承認手続きに入れるのはそれからだ。
米国は来夏以降、2016年の次期大統領選に向けた動きが本格化するため、議会も「TPPどころではなくなる」(交渉筋)。それまでに議会の承認を得るには、逆算すると合意時期は来年2月が妥当というわけだ。