ただ、来年2月の合意を目指すとしても「各国とも年末年始や旧正月の休暇などそれぞれの事情がある」(同)ことから、交渉にかけられる時間は限られる。声明に目標時期が盛り込まれなかったのも交渉期限を明示すれば、合意を急ぐ米国から、不本意な譲歩を迫られる恐れがあると懸念する国もあったためとみられる。
日本の交渉筋は、合意が遅くとも来夏までにできなかった場合、交渉を主導する米オバマ政権のレームダック(死に体)化により「次期大統領のもとで態勢の整う3年後まで交渉ができなくなる。そうなれば交渉は漂流してしまう」と危機感を募らせる。
TPP交渉の停滞を尻目に、韓国とのFTAを妥結させた中国の習近平国家主席は9日の演説で「アジア太平洋地域では自由貿易に向けた取り組みが次々に出現し、困惑を招いている」とTPP交渉に横やりを入れた。日米主導で先進的な通商秩序を構築するという理想は崩壊の危機にひんしている。