「中国版アップル」が出てこないのはキャリアが浅いためだったとしても、アリババを引き留められなかったのは創業板にとって極めて残念なことだ。中国の電子商取引大手アリババは今年9月、ニューヨーク証券取引所に上場。オーバーアロットメント(追加売り出し)が行われ、世界で過去最大規模のIPOとなった。
アリババのように海外の株式市場に打って出る新興企業は少なくない。上海証券取引所資本市場研究所によると、13年には、計66社の中国企業が境外(香港を含む海外)で上場を果たし、そのうち3分の1が戦略的新興産業で、調達した資金は計35億600万ドル(約4004億9038万円)だった。その金額は境外市場における調達総額の18.4%を占めている。
核心技術で社会のニーズを先取りする「戦略的新興産業」は、知的技術が集約▽物的資源の消耗が少ない▽成長の潜在力がある▽総合的な効率が良い-といった共通点があり、中国経済が目指す方向性でもある。創業板が求めるこうした企業が、申し合わせたように海外での上場を目指すというのは、創業板を含めて国内株式市場全体が深刻に受け止めるべき問題だ。