政府は来月決定する経済対策で、低所得者向けの現金給付や住宅ローンの金利優遇、高速道路料金のETC(自動料金収受システム)割引延長などを検討する。個人消費の底上げや、円安による燃料費上昇の影響を受けやすい地方に配慮したメニューが中心になりそうだ。
経済対策の財源の裏付けとなる14年度補正予算は2兆~3兆円規模の見通し。ただ、野村証券の木下智夫チーフエコノミストは「景気の下ぶれリスクを阻止する政府の意志を明確にするには予算の上積みが必要」と指摘。4兆円程度は必要とみる。
成長戦略をてこに経済を成長軌道に乗せるべきだとの声も出ている。SMBC日興証券の末沢豪謙・金融財政アナリストは「再増税まで無駄に過ごせば(税収減で)財政が悪化するだけだ」と指摘。自動車やロボット、観光など「少子高齢化とグローバル化の中で生き残れる産業へ投資を急ぐべきだ」と注文をつける。ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは、消費の本格回復には、社会保障制度への不安解消が不可欠だとし、「医療や介護の規制緩和などスピード感を持って取り組むべきだ」と話した。(小川真由美)