業績好転、円安効果じわり 10月貿易赤字も輸出額は増加 (1/2ページ)

2014.11.21 05:00

 日銀の追加金融緩和以降、円安が進む東京外国為替市場で20日、円相場が約7年3カ月ぶりの円安ドル高水準をつけた。金融緩和の長期化が視野に入る中、足元では輸出企業の業績好転や訪日外国人客数の増加など円安のプラス効果が出始めた。ただ“恩恵”の範囲が限定的なほか、急激な円安は企業業績に悪影響を与える懸念もあり、政府は動向を注視している。

 「いいレンジ(範囲)に入ってきている。円安は総じて経済にはプラスだ」。日産自動車の西川広人副社長は現在の円安基調を歓迎する。数年前の1ドル=70円台といった「超円高」から一転。輸出改善などで、同社の2014年9月中間連結決算は、営業利益が173億円押し上げられた。

 輸出増は統計にも表れてきた。20日発表された10月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は7100億円の赤字だが、輸出額は9.6%増の6兆6885億円で2カ月連続のプラス。寄与度の高い船舶や鉄鋼はともに2桁増で、「増加品目に広がりが見られる」(第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト)。

 円安を当て込んだ外国人旅行客も増えた。日本政府観光局が発表した1~10月の訪日外国人客数は前年同期比27.1%増の約1101万人で過去最高となった。国の経常収支のうち、海外旅行客によるお金の取引をまとめた「旅行収支」も改善傾向にある。

円安による商品やサービスの価格競争力向上は…

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。