■国民に利益もたらす努力を
農協改革が、激しい議論になっている。JAグループ(以下、農協)に、メスを入れようとしている政府与党。それを食い止めようとする農協。両者とも、僕には極端な主張に思える。端的に言って、農協には良い面と改革すべき面がある。それは政府自民党も同じこと。農協案も政府案も、一定の評価はできるが、白か黒かではない。
そもそも、農協改革はいったい誰のために行われるのか。農業活性化のためというお題目を、僕は素直に受け入れられない。なぜなら、農協改革案の前に、政府自民党の農業政策の方向性が不明確だからだ。減反政策廃止と喧伝し、今年のコメ相場(農協概算)は1俵7000~8000円へ大暴落。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉は、守秘義務との名の下、実態が明らかにされないまま、年明け2月には妥結を目指すという。これからの農業は、大規模化を目指すべきだとのミスリードもあり、農家は混乱するばかり。
◆スリム化で機能強化
それに輪をかけて、ここ数年の天候異常で、ただでさえ難しい農業が、一層難しくなっている。当然にそんな中で、後継者が増えるはずもなく、農家の高齢化は加速している。一部メディアには、特殊な才能やチャンスに恵まれた立派な農家がよく登場するが、ごく一部の状況であり、国内農業の未来を担保するものではない。