日米欧の「緩和マネー」が演出した円安・株高の流れに急ブレーキがかかっている。中国やギリシャの経済不安などで投資家心理が弱含み、9~11日の3日間で日経平均株価は約680円も下がった。本格的な調整局面入りとの見方は少ないが、政府・日銀による「官製相場」の不安定さも浮かび上がった。(藤原章裕)
10月末の日銀の追加金融緩和前から、1万8000円台に乗せた今月8日までに日経平均は約2300円も上昇。円相場も1ドル=109円台から121円台まで円安が進んだ。ただ、景気の足踏みが続く中、株価と実際の景況感の乖離も指摘されていた。
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今回、投資家がリスク回避に動いたきっかけは、9日の上海市場。中国当局が資金調達の際の担保として低い格付けの債券を認めないと発表したため、投資家心理が冷え込んだ。
欧州でもギリシャの政治的混乱への懸念が強まっている。ギリシャ政府は、来年2月予定の大統領選を今月17日に前倒しすると発表したが、ここにきて、欧州連合(EU)懐疑派とされる野党・急進左派連合(SYRIZA)が支持を拡大している。大統領を選出できずに解散・総選挙となれば、EUの支援で財政緊縮化を進める与党が敗北する可能性もあり、EU経済への影響は避けられない。
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ただ、日本株は今後も緩やかな上昇基調を予測する市場関係者は多い。円安や原油安が企業収益を後押しするほか、日銀や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の買い支え期待も根強いためだ。