衆院選福岡1区は、自民党公認を争った井上貴博氏と新開裕司氏の2人の無所属前職と、民主党元職の山本剛正氏を交えた三つ巴(どもえ)の戦いが激しさを増している。自民分裂の影響からか、産経新聞社とFNNの合同世論調査では山本氏が優勢となっている。選挙戦終盤になり、安倍晋三首相の夫人が井上氏の応援入りする「ウルトラC」を繰り出すなど、崖っぷちの無所属2氏が猛烈な巻き返しを図る。(田中一世)
「昭恵を福岡1区に行かせます。よろしくお願いします…」
安倍首相から井上氏周辺に連絡が入った。井上氏は麻生太郎副総理兼財務相を後ろ盾とし、安倍首相にも近い。劣勢が伝えられる中、首相がついに動いた。
昭恵氏は12日に福岡を訪れ、企業を回って井上氏支援を依頼するほか、数カ所で街頭演説する。党総裁の立場から、無所属候補に露骨に肩入れできない首相に代わり、昭恵氏が応援することで井上氏が自民党の「本流」だとアピールする狙いだ。
10日午後、JA福岡市堅粕支店(福岡市博多区)前で、麻生派所属の山口俊一・沖縄北方担当相が井上氏の応援演説を行った。
「麻生副総理から頼まれて来た。実は安倍総理からも、昨日の閣議の後に『井上さんを頼んだよ』というお話があった」
山口氏は、農協関係者ら数十人を前にこう語り、現政権が推しているのは井上氏であることを強調した。井上氏は「この1区は絶対に民主党に渡せない。もし渡したら(福岡市の発展が)10年遅れる」と強調し、民主・山本氏への対抗心を露わにした。
新開氏は10日夕、ホテルニューオータニ博多(福岡市中央区)で総決起大会を開催した。新開氏の後ろ盾の古賀誠・元幹事長、同じく「反麻生」の山崎拓・元副総裁も登壇した。