日銀が発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)では、足元の景況感はほぼ横ばいだったものの、先行きは規模を問わず悪化を見込む業種が多い。衆院選では与党が大勝し「アベノミクス」が信任されたが、新政権に対し、円相場やエネルギー価格の安定を求める声も上がりそうだ。
前回9月の短観が公表された10月1日に1ドル=110円台で取引された円相場は、日銀が追加の金融緩和に踏み切ったことなどから足元では一時1ドル=121円台に乗せるなど急ピッチの円安が進んだ。
原材料を輸入して部品をつくったり、輸入農産品を販売する中小企業にとって過度の円安は悩みの種だ。12月短観では「中小企業・全産業」の足元の業況判断指数(DI)は0と9月調査から横ばいだったが、先行きDIはマイナス4。製造業は16業種中14業種、非製造業は12業種中8業種が悪化を予想した。
日銀の中山興・経済統計課長は「企業は急な円安や原油安の影響を読み切れないようだ」と分析した。
帝国データバンクによると、企業の倒産件数は今年11月まで16カ月連続で前年より減少しているが、円安による倒産は1~11月に計301件と前年同期比2・7倍に膨らんだ。