一方、歳出改革は力不足だ。昨年夏の試算ではPBの赤字半減目標が達成できる水準をさらに7500億円程度上回る余裕があった。だが、今回の予算案では社会保障費が前年度より1兆円増えたため、PB目標は「税収が増えていなければ達成できなかった」(財務省)ほど収支は悪化した。安倍首相は「経済再生と財政健全化の両立」を掲げ、予算編成の基本方針でも「聖域なく歳出を見直す」としていたが、予算の効率化は課題が残った。
すでに1000兆円の借金を抱える日本経済にとって、成長と財政再建の二兎(にと)を追う難しいかじ取りは、安倍政権の宿命でもある。経済成長に必要な予算を確保していくためには、無駄の徹底排除も欠かせず、政権の強い意思が問われている。