北海道上士幌町が寄付者らを招いて開いた感謝祭に駆けつけた石破茂地方創生担当相(中央)=1日、都内のホテル(杉浦美香撮影)【拡大】
一方で、見込まれた住民税が減り、“赤字”になる自治体もある。特産品などの特典を設けていない東京都江東区では26年度の寄付額が61万円(昨年12月末現在)だったのに対して、ふるさと納税の25年度の控除額は1770万円。担当者は「“赤字”は許容範囲。今のところ、寄付を集めるために特典を設けることも考えていない」と話す。
お礼の特典を寄付の3割程度に抑えている静岡県富士市の25年度の寄付額は約107万円で、控除額は309万円だった。担当課は「他の自治体に寄付する市民は増えるだろうが、特典の3割は崩さず、中身を工夫したい」とする。
他道府県への寄付者が多い東京都は「ふるさと納税の思想は寄付の促進であり、東京一極集中を是正するための税の再分配ではない。住民税は行政サービスの受益者負担が原則のはずだ」と疑問を呈する。
政府は寄付額の上限の拡大を打ち出しており、特産品競争の過熱を懸念する声もある。ふるさとチョイスを運営するトラストバンクの須永珠代社長は「ふるさと納税は地場産業の活性化につながっており、効用は大きい。納税者が税金を何に使うかを選ぶことができる制度だ。ただ、今後は寄付を受けた自治体が具体的にどう使うかが課題になる」と話している。