◆関係者に旧軍政首脳
民政移管後、ヤンゴン市の開発をめぐっては、YCDCからの依頼を受けて日本の国際協力機構(JICA)が住民の意向調査や基礎測量などを行い、さらにヤンゴン市内の建物を細かく調査したうえで、ヤンゴン市再開発プランを提案している。住民の希望を取り入れ、景観を維持するために、どこに建物や駅、陸橋などの構造物をつくるべきかも定めた。
ただ、プランはそのまま全部が採用されるわけではなく、実施にあたっては、YCDCに加えて、ミャンマー政府の意向も反映される。
開発会社の思惑もある。ダゴンシティの建設地はヤンゴン中心部の一等地だ。もともと国軍の土地で、このため旧軍政の最高首脳の関係者が、この開発に関わっているとされる。開発側も苦労してプロジェクトの実現にこぎ着けたのは、想像に難くない。それだけに年末の総選挙を控え、できるだけ早く投資を回収し、もうけたいと思ったとしても無理はない。
一方、ミャンマー政府にすれば、総選挙で政権交代もしくは野党との連立政権になった場合を想定し、後から不正取引などといわれることのないよう神経をとがらせている。ダゴン開発をめぐる問題は、経済的にも政治的にも、大きな転換期を前にしたミャンマーの今を象徴しているようだ。(編集委員 宮野弘之)