自民党本部で農協改革案の受け入れを伝え、記者団に囲まれるJA全中の万歳章会長=2月9日、東京・永田町【拡大】
JA全中が改革案の受け入れを表明した翌2月10日付の産経新聞は主張(社説)で「中央会制度は地域農協の創意工夫を阻む要因でもあった」とこの間の経緯に触れ、「既得権益に風穴を開けたのは前進といえよう」と高く評価した。
読売新聞も同日付社説で「農業の競争力を高める取り組みを促し、『攻めの農業』を目指す狙いは妥当である」と改革案を支持。毎日新聞も「JA全中の権限見直しに踏み込んだのは必然だろう」と足並みをそろえた。
もちろん、各社とも社説では「合意を引き出すうえで譲歩した部分も多く、課題は残る」(10日付の日経新聞)などと注文も付けているが、おおむね全国紙はJA全中の権限制限に主眼を置き、合意した改革案を評価する姿勢が目立った。
これに対してブロック紙や地方紙では、改革案の方向性そのものを疑問視する論調が目についた。
西日本新聞は10日付社説で「論理の飛躍を感じる」とし、「地域農協の経営の自由度を上げれば農家の所得は上がるのか」「JA全中の影響力を排除すれば現場から斬新なアイデアが湧き出すというわけなのか」と畳み掛けた。「長い歴史がある組織の意識改革はなかなか難しい」とも指摘し、改革の先行きにも懸念を示した。
河北新聞も「議論は、制度をどう変えるかに終始し、農業再生にどうつなげるのかという肝心の議論が置き去りにされた観が否めない」(11日付)と疑念を隠さない。
東京という大都市に本拠地を置く全国紙と、農業を地元の主力産業に抱える地方紙とでは、認識は自ずと異なる。違いが生じるのは、ある意味、当然であろう。
中国新聞は「決着」に先立つ2月1日付の社説でこう書いている。