世界銀行は、フィリピンの都市の問題点として、マニラ首都圏に次ぐ中規模都市がないことを挙げ、バランスの取れた開発が必要だと提言した。また、都市部での適切なインフラ整備が進んでいないことから、自然災害時の被害が拡大する恐れがあると警鐘を鳴らしている。
こうした意見を受け、政府系シンクタンクのフィリピン開発研究所は、インフラ未整備が開発の最大の障壁になっていることを認め、政策の遅れも新都市建設などを阻んでいるとの見解を示した。
同研究所によると、フィリピン政府は1946年の独立後に国家都市開発委員会を設置したものの、権限の弱さから地方政府などに軽視されて有効な措置を講じることができなかった。さらに、地方政府も短期の計画を重視する傾向があり、長期的な視野に立った都市計画に着手できない状況だという。
同研究所の研究員は、かつては資金不足がインフラ整備を阻害していたが、現在は経済成長で余裕が生まれていると指摘。「成長速度に見合った国家レベルでの都市計画が必要だ」と述べ、中央政府に対し、長期的な視野に立った計画立案を積極的に主導すべきだと呼びかけた。(シンガポール支局)