オバマ政権のもとで関連法を成立させるには、逆算すると5~6月が合意期限となるわけだ。それ以降に合意しても、関連法案の採決は新政権の発足後に持ち越され、次期大統領次第では交渉が「白紙」に戻る懸念も否定できない。5~6月までに合意できなければ、交渉は中断を余儀なくされそうだ。
日本はTPA法の成立を待たずに、日本の重要農産品の関税などをめぐる日米協議を前進させ、安倍晋三首相が訪米する4月下旬からの大型連休前には決着させたい考え。その上で、TPA法の早期成立を前提に12カ国の閣僚会合を開き、交渉全体の大筋合意に持ち込むシナリオを描く。
しかし、東京都内で今月6日まで開かれた日米の事務レベル協議は「難しい問題が残ると同時に、新たに認識された問題が出てきている」(大江博首席交渉官代理)という状況で、TPA法がいつ成立するかもめどが立たない。交渉はこれまでも、たびたび漂流の可能性が指摘されたが、いよいよ懸念が現実味を増している。