結婚式場とオフィスビルの複合施設「目黒雅叙園」=東京都目黒区【拡大】
大型物件を買いあさっているのはファンドだけではない。都心を中心に個人の取引も活発だ。
「来年は15%価格が上昇する見通しで、再来年はさらに15%上回る価格で売り抜けることが可能でしょう」-。五輪会場に近い湾岸エリアや六本木、赤坂周辺に建つ高級マンションの販売現場ではこんなセールストークが飛び交う。香港や台湾、シンガポールを中心とした個人投資家はこれに敏感に飛びつく。
こうした流れを受けて、不動産各社は海外富裕層の獲得に力を入れており、野村不動産アーバンネットは昨秋、初の海外駐在員事務所を香港に開設。顧客の平均投資額は5億円という。また、大京も台湾と香港で営業を行っている。
都心では訪日外国人の増加を見込み、ホテルの用地取得の動きも活発化。当面、海外投資家が地価の下支え役を担う構図が続きそうだ。