建築費の上昇で利益が圧迫されるマンションの売り主は土地代を抑えようとするため「千葉や埼玉では地主との価格交渉が決裂するケースが増えている」(不動産大手)。住宅地では埼玉県川越市が下落に転じ、千葉県でも市川市や船橋市の上昇幅は前年より大きく縮小した。
都市と地方の二極化は商業地でも顕著だ。堅調なオフィス需要を背景に、東京都の商業地の上昇率は2.9%で2年連続で全国トップとなった。
オフィス仲介の三鬼商事によると、2月末時点の都心5区のオフィスの平均空室率は20カ月連続で改善。既存ビルに限れば2月の空室率は4.78%と6年ぶりの4%台に低下し、需給は逼迫(ひっぱく)しつつある。
一方で住宅地、商業地とも2年連続で下落率が全国最大となった秋田県では、工業地も秋田市の秋田港付近が全国最大の下落率8.2%を記録した。秋田の人口減少率は全国最悪で少子高齢化の進行も最も速い。
「玄関口のJR秋田駅周辺にも未利用地が多く、商業地の取引は停滞したまま。工場の進出も他県と比べて劣勢だ」。秋田市の不動産鑑定士はこう分析する。