日本原電敦賀原発の破砕帯をめぐり、調査団の評価書案に異論が相次いだプレビュー会合=2014年12月、東京都港区【拡大】
ここが不可解な点の一つ。炉規法67条では、報告徴収命令について次のように書かれている。「この法律の施行に必要な限度において、原子力事業者に対し、報告させることができる」。調査団が下した結論は行政処分ではない。にもかかわらず報告徴収命令を発したことは「法律の施行に必要な限度」を超えていないか。調査団の評価と法的な審査は「別物」という規制委の認識ともずれている。調査団の位置付けを方針転換させたとしか考えられない。規制委の公式見解は「当初から(位置付けに)変更はない」というものだが、マスコミの多くは当初、そのように受け止めていなかった。
調査団が評価書案をまとめると、他の原発を調べた専門家からなる「ピアレビュー会合」が開かれる。評価書案が科学的に間違っていないか、論理構成に矛盾がないかを第三者の視点で検証するプロセスだ。ここでも多数の疑問がある。
規制委が13年2月に了承した「敷地内破砕帯の評価書案に関するピアレビュー会合について」と題した文書には「ピアレビューの結果については必要に応じ評価書案に反映する」とある。ところがその後、原子力規制庁は「ピアレビューの具体的実施方法」という文書を出した。ピアレビュー会合に出る専門家の役割に「当該破砕帯を再評価するのではなく」という制約をかけたが、規制庁文書は規制委に諮られていないし、了承されてもいない。