拒否権を持たなくても、中国が主要な意思決定に関して有利な立場を確保するとの見方は強く、AIIBの組織運営がどうなるかは不透明のままだ。同紙は、アジア諸国の議決権を全体の75%とした上で、この75%分を国内総生産(GDP)の規模に応じてアジア各国に割り当てる案が検討されていると指摘している。
日本政府内からは「出資比率が高ければ、投票権の割合も大きくなるので同じことだ」(外務省幹部)と冷ややかな声が上がる。新興国や途上国を支援する既存の国際的金融組織では、最大でも1カ国の出資比率は30%程度にとどまる。世界銀行の最大出資国は約17%の米国、アジア開発銀行は約15%の日本だが、AIIBでの中国の出資比率は突出して高くなりそうだ。
麻生太郎財務相は24日の閣議後の記者会見で、加盟国を代表する理事会での個別案件の審査・承認や債務の持続可能性への配慮などが「確保されるのか見極めないといけない」と指摘。AIIBへの参加について「極めて慎重な立場だ」とする政府の見解を改めて強調した。