【消費税1年】(下)「すべての税目で稼ぐ」政府、足元の痛みより財政健全化 (1/3ページ)

2015.4.2 05:00

税収の内訳と推移

税収の内訳と推移【拡大】

 「消費税増税は、日本の成長にあまり良い結果を生んでいない」

 「この方向で良いのか確信できない」

 8%への消費税増税から10カ月ほどたった今年1月末。来日した仏経済学者のトマ・ピケティ氏が言い放ったのは、増税への懐疑的なコメントだった。

 世界的なベストセラー「21世紀の資本」で、各国の膨大なデータを分析して“格差の拡大”を指摘したピケティ氏。格差縮小のために資産に対する課税を強化すべきとの立場から、日本の消費税についても「(若者も含めて)低所得者にも課税される」と、その“問題点”を指摘する。

 その消費税増税から1年が経過した。実際の値上げもさることながら、増税で苦しいと感じてしまう「痛税感」がマインドを冷え込ませているとの指摘も根強い。だが、政府の目線は足元の増税の痛みより、さらに先を見据えている。

◇    ◇

 所得税=約3割▽消費税=約3割▽法人税=約2割。これが、現在の日本の税収の基本的構造だといわれる。このうち、所得税と法人税は景気変動に左右されやすく、リーマンショック後に所得税は2年間で2割、法人税は5割以上落ち込んだ。一方で、消費税は税率3%時に5兆~6兆円、5%時には10兆円前後で安定する。ピケティ氏には不評だったが、景気や人口構造の変化に影響されにくく、働く世代などに負担が集中することがないという“利点”もある。

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