「宇宙太陽光発電」日本の勝算は? NASAも撤退、試される技術立国の実力 (3/4ページ)

2015.4.3 06:35

宇宙太陽光発電システムのイメージ図(JAXA提供)

宇宙太陽光発電システムのイメージ図(JAXA提供)【拡大】

 コストの内訳をみると、宇宙での発電と送電システムの建設に約5700億円、地上の集電システムの建設に約2300億円、部品の輸送費に約4700億円。さらに保守・運用費として年間約340億円が見込まれている。

 最難題は部品輸送

 最大の難題が部品輸送だ。100万キロワットの発電能力を持つSSPSとなると、2キロ四方におよぶ巨大な太陽光パネルが必要になる。試算では部品を輸送するロケットの打ち上げは500回は必要とされ、現在の技術だと1回の打ち上げ費用に約100億円かかるとされる。つまり500回打ち上げると、輸送費だけで5兆円かかる。

 経産省の担当者は「採算性を考えるなら、1回の打ち上げコストを現状の100分の1にまで縮小しなければならない」としており、飛躍的な技術革新が欠かせない。さらに「現在の技術力では部品を地上500キロにまで打ち上げるのがやっと。その後、静止軌道まで移動させる方法は現時点ではない。要するに現時点の技術では実現の可能性は0%だ」と明言する。

 JAXAや企業は現在、輸送コストを削減するためにシステム全体の軽量化と送電の効率化などに取り組んでいる。もっとも、静止軌道までの移動方法は手つかずといっていい状況だ。学識者からは「火力発電所や原発は数千億円で建設できることを考えれば、SSPSの研究そのものが税金の無駄遣い。洋上発電や風力発電などの発電効率を高める研究に費用を投じた方が有益だ」という指摘もある。

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