「宇宙太陽光発電」日本の勝算は? NASAも撤退、試される技術立国の実力 (4/4ページ)

2015.4.3 06:35

宇宙太陽光発電システムのイメージ図(JAXA提供)

宇宙太陽光発電システムのイメージ図(JAXA提供)【拡大】

 政府はなぜ、実現の見通しが立たない夢の計画を放棄しようとしないのか。

 近年の政府の宇宙関連予算は年間2800億円程度で、そのうち経産省がSSPS関連に充てているのは約2億5000万円。同省は「将来の実現性と今後の技術応用価値を考えれば妥当な予算配分だ」とする。

 無線で送電する技術は宇宙空間で利用できなくても地上での応用が可能なため、副産物的な成果をもたらす可能性がある。「例えば高圧鉄塔や電線の必要がなくなり、地上での送電に活用できるかもしれない」と、経産省の担当者は期待を込める。三菱重工も「有線ケーブルを敷設しにくい洋上風力発電での送電や、電動車両の無線充電などにも応用できる」とする。

 ■研究継続、今年度に行程表骨格案

 とはいえ、宇宙から地球への送電が実現できるかは「論理的な説明はできないものの、将来性を訴える研究者は多い」(経産省)とするにとどまり、明確な答えはない。政府も現状の計画のままでは困難と考えたのか、SSPSの実現に向けたロードマップの作成に昨秋乗り出した。最新の技術要素なども考慮した上で実用化の目標時期なども見直し、15年度には骨格案をまとめる段取りだ。

 ただ、課題は文字通り山積している。マイクロ波を地上に送る際に航空機や電子機器のほか、人間など生物への影響がないか安全性の検証も欠かせない。専門家の間では、実現は40~50年代に先送りされるとの見方が有力となっている。

 研究開発をあきらめれば宇宙太陽光発電は永遠に人類の手に入らない。「あのとき研究を続けていて良かった」と思える日が来るのか。「技術立国」を掲げる日本の実力が試されているともいえそうだ。(西村利也)

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