日銀は対話よりサプライズ重視? 政策維持も消えぬ市場の疑念 (2/4ページ)

2015.4.9 05:47

記者会見に臨む日銀の黒田東彦総裁=8日午後、東京都中央区

記者会見に臨む日銀の黒田東彦総裁=8日午後、東京都中央区【拡大】

 「黒田総裁の発言を額面通り受け取ると、金融政策の予想が難しくなる」。第一生命経済研の藤代宏一主任エコノミストはこう話す。

 “世界水準”に逆行

 海外では、米連邦準備制度理事会(FRB)が13年春、国債などを買う量的金融緩和の縮小を示唆し、日経平均株価は1日で1143円も急落した。しかし、市場は徐々に落ち着きを取り戻し、縮小が実行されたときや昨年10月の緩和終了時の市場のショックは小さかった。

 HSBC証券の城田修司マクロ経済戦略部長は「『金融政策の透明性を高めた方が有効』という最近のグローバル・スタンダードに日銀は逆行している」と指摘する。

 3月に量的緩和に踏み切った欧州中央銀行(ECB)も昨年11月には導入を示唆。市場はほとんど織り込み済みだったが、緩和規模は市場予想を上回った。野村証券の木下智夫チーフエコノミストは「日銀からサプライズを学んだ」と分析する。

「2年程度で2%の物価目標を実現する方針に変わりはない」

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