辞任会見で記者の質問を聞くJA全中の万歳章会長=9日、東京都千代田区(早坂洋祐撮影)【拡大】
全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長の突然の辞任表明は、政府・自民党に対して最後は折れざるを得なかった農協改革への責任をとったとの見方が強く、自民党内からは「筋を通した」と理解を示す声が上がった。ただ、同党が万歳氏を辞任に追い込んだと有権者に映りかねず、統一地方選への影響を懸念する声も漏れた。
安倍晋三首相は9日、官邸で記者団に「(万歳氏には)農協改革で大変な協力をいただいた」と謝意を示した。自民党の稲田朋美政調会長も党本部で記者団に「万歳氏は言うべきことをきちんと主張し、最後は(改革案を)まとめられた。大変感謝している」と述べた。
3日に閣議決定された農協改革関連法案は、大型連休後の5月中旬以降に国会で本格的な審議が始まる。このため、ある党幹部は「このタイミングで一区切りつけたかったのではないか」と語る。
ただ、統一地方選最中での辞任劇だけに、さらなる農協票の離反を招く可能性も指摘される。農林族議員の一人は「『農協がいじめられ、自民党が勝った』という構図が浮き上がってしまうと、統一選にいい影響はない」と懸念する。
万歳氏は7日に首相と会談し、「私どもと首相の考えは同じ方向だ」と握手を交わしたばかり。JA全中出身の山田俊男参院議員は産経新聞の取材に「JA全中の一般社団法人化に納得がいかなかったのだろう」とおもんぱかった。