記者会見するJA全中の万歳会長=9日、東京都千代田区【拡大】
万歳会長は、農協改革をめぐる引責辞任との見方を否定したが、政府との“改革闘争”で敗れたことが影響した印象は否めない。
農協改革は全中を一般社団法人に転換し、地域農協への影響力の源泉となってきた監査・指導権をなくすのが柱だ。全中の統制を弱め、地域農協の経営の自由度を高めることで、農業再生につなげる狙いがある。
万歳会長は従来通り、農協法に位置づけられた組織であることにこだわったが、最後は統一地方選前の決着を狙った政権に屈せざるを得なかった。
農協法改正案は今国会で成立する見込みで、全中は2019年までに一般社団法人に移行することになる。農林水産省OBは、今回の会長辞任について「改革が進めやすくなる」と指摘した。
JA全中は組織票を背景に族議員を通じて政治への発言力を維持してきた。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に対しても最大の「抵抗勢力」と目される。改革で地域農協への影響力が弱まれば、こうした政治への発言力が低下するのは必至。新会長には「組合員のために最大奉仕する」(万歳会長)という原点回帰が求められる。