官邸に対抗し、独自の財政計画づくりに乗り出したはずの自民党も社会保障や公共事業に絞った数値目標導入には慎重だ。同党は「国民皆に理解を得られる計画を提言したい」(幹部)と意見集約を目指すが、放漫財政を食い止めるには心許ない。
ある政府関係者は「歳出削減が不十分になれば10%超への消費増税の話が出る。それこそ財務省の思うつぼで最悪のパターンだ」と打ち明ける。政府・与党の足並みが乱れて財政計画が生煮えに終われば、増税が先行し、経済成長に水を差すおそれがあるためだ。
政府が財政健全化を推進する法律を定めてから約20年。リーマン・ショックや東日本大震災など予期せぬ環境変化もあり、財政の立て直しは先送りされてきた。
経済の好循環が実現しつつある今こそ「経済再生、歳入改革、歳出改革の3本柱」(麻生太郎財務相)で財政再建を進める好機だ。将来世代にツケを回さない不退転の決意が求められている。(小川真由美)