【電力考】電源比率 原子力+再生エネで40~50% (1/3ページ)

2015.4.13 05:00

 □石川和男・NPO法人社会保障経済研究所代表

 産経新聞(5日付)やフジサンケイビジネスアイ(6日付)などで既報の通り、政府が検討している2030年の電源構成比率は、(1)原子力発電に関しては、東日本大震災後に全基停止したが、20%程度まで回復(2)再生可能エネルギー発電に関しては、原発を上回る20%台半ばに引き上げ(3)火力発電に関しては、50%台半ば-にする方向で進んでいる。

 ◆実現性がない目標数値

 30年という断面での目標を決めることにどれほどの意義があるのか、という根本的な問い掛けもあるが、それ以前に多くの問題がある。そもそもこの類の目標は、数年たつと見直しが行われることが常だ。とにかく短期的かつ頻繁に改訂される。さらに、目標数値に実現性がほとんどないことは、役所や審議会の関係者の多くが分かっている。特に、再生エネを20%台半ばに引き上げることは、技術的にまず不可能である。

 だから、今回のこの目標についても、どんなに熱く議論し、どんなに固く決心したとしても、近い将来また同じような議論が起こり、ほんの少しの違いが“上書き”されてしまう。

 しかし、評価されるべき点もある。原子力と再生エネの合計で電源構成の半分を占める点だ。逆に言えば、石炭や天然ガスなどの輸入化石燃料を利用する火力発電を半分程度に抑えるということである。

 再生エネとは、水力・地熱・バイオマス・風力・太陽光で、これらは国産エネルギー。原子力は、その燃料となるウランはエネルギー密度が高く備蓄が容易であることや、使用済み燃料を再処理することで資源燃料として再利用できることから、資源依存度が低い準国産エネルギーとの位置付けになっている。

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