日本としては、再生エネ単独で20%台半ばという技術的に困難な目標ではなく、原子力を合わせて「国産エネルギーを半分程度」を目標とすれば、技術的に十分可能となる。その際、再生エネを導入するためのコスト負担をいかに抑えるかが最大の焦点となる。
これまで再生エネ固定価格買い取り制度に基づく認定を受けたものは、今後10~20年間の買い取りが保証される。今後運転開始するものは、新たな巨額の国民負担を発生させる。経済産業省の試算によると、15年度の再生エネ買い取り総額は1兆8000億円、再生エネ賦課金総額は1兆3000億円。これを極力抑えるには所要の資金が必要になる。そのための原資はどこからか捻出(ねんしゅつ)できないものだろうか?
◆原発の高稼働率で利益増
私が提案したい方策は、原発を高稼働率で稼働させた分(例えば、震災前06~10年の5カ年平均稼働率は約65%だが、稼働率を約90%にまで引き上げた場合の増分)の一部を再生エネ賦課金の減免のための原資として充当すること。原発のない沖縄電力分については、原子力事業者の負担能力に応じて拠出するなど制度上の工夫を施せばよい。
政府や事業者は、原発の高稼働率稼働に関する試算をしておくべきだ。私の試算では、東京電力柏崎刈羽原子力発電所を諸外国並みの高稼働率(稼働率約90%)で稼働させると、年間約1兆円の利益増効果が見込まれる。
今の技術水準では、太陽光・風力は、ベースロード電源である原子力・火力の代替にはなり得ない。日本では“原子力即ゼロ化”に代表される一部の極端な空気が、“再生エネvs原子力”という不毛な対立構図を作り出しているようだ。