【ワシントン=小雲規生】米上院で通商政策を管轄する財政委員会は22日、通商交渉に関する権限を政府に一任する大統領貿易促進権限(TPA)法案を可決した。採決は20対6で、共和党から13人、民主党から7人の超党派の議員が賛成した。TPA法は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の合意に不可欠とされており、早ければ来週にも上院本会議で投票にかけられる。下院の歳入委員会も23日に類似のTPA法案を審議する。
上院財政委員会での審議では民主、共和両党の議員団から、自由貿易協定に為替操作に対抗するための強力な措置を盛り込むことを求める修正条項が提出されたが、11対15の反対多数で否決された。またこの日の委員会では自由貿易協定で不利益を被る労働者への「貿易調整支援」について定める別の法案なども可決された。
日米などTPP交渉参加12カ国は23~26日にワシントン近郊で首席交渉官による事務レベル会合を開く。28日には日米首脳会談が予定されており、TPA法案の審議の行方は交渉全体に大きな影響を与える。