2030年度の電源構成比率を検討する有識者委員会=28日午後、経産省【拡大】
◆太陽光発電に集中
「制度が悪いのは事実だ」。昨年10月中旬、経産省の地下2階。再生エネの普及拡大を目指す「固定価格買い取り制度」(FIT)の見直しを議論していた有識者会議で、委員長を務めた地球環境産業技術研究機構(RITE)の山地憲治研究所長は、こう言い放った。
12年7月に導入されたFITは、大手電力会社に対し、再生エネで発電された電気を一定期間、全て買い取るよう義務付けた。しかし、設備の設置が比較的容易で買い取り価格の高い太陽光に契約申し込みが集中。全て受け入れれば送電容量を上回り、大規模停電につながりかねないとして昨秋、九州電力など5社は、受け付けの中断を表明した。
制度導入からわずか2年余りで、ほころびが露呈したFIT。制度の骨格が固まったのは11年夏だった。民主党の菅直人政権(当時)が東日本大震災の対応などをめぐって退陣を迫られ、関連法案の成立を焦った経緯がある。法律施行後3年間は「(再生エネの)供給者が受けるべき利潤にとくに配慮する」との付則が加わり、買い取り価格の大幅引き上げにつながった。
山地氏は「(FITの設計は)国会で調整した。最大の責任はそこにある」と、FITが作られた過程を非難する。
政府はFITを見直し、電力の受け入れが困難な場合、柔軟に発電抑制を事業者に要請できるよう変更。これを受け今年1月、買い取りの受け付けを中断していた各社は、手続きを再開した。だが、ずさんな制度設計が、「再生エネの全量買い取り」という大原則を大きく揺るがす結果を招いた。