2030年度の電源構成比率を検討する有識者委員会=28日午後、経産省【拡大】
FITによる再生エネの買い取り費用は、電気料金に上乗せされている。経産省は3月、FITによる15年度の電気料金の上乗せ額が、電力会社にかかわらず標準家庭で月474円になると公表した。5月の料金から適用され、14年度から2倍超に膨らむ。太陽光発電の急増が見込まれるためで、年間では5688円もの負担になる計算だ。
電気料金が上昇すれば、電気代の安い海外に企業が逃げ出す恐れもある。経済界からは「企業経営に深刻な問題だ」(日本商工会議所の清水宏和・中小企業政策専門委員)との不安の声も挙がる。電源構成が再生エネに偏れば、国民負担が増すのは火を見るより明らかだ。
◆相互補完の観点必要
「原発と再生エネの選択を迫られているというのは誤解だ。これらは相互補完的なものだ」。4月13日、都内で開かれた日本原子力産業協会の年次大会で、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は、こう強調した。
政府は1月から、最適な電源構成(ベストミックス)をめぐる検討作業を本格的に始めた。その中で「経済性、環境性、安定供給そして安全性を踏まえたバランスの取れた電源構成にする」(山際大志郎経産副大臣)ことを目指してきた。
環境負荷の小さい再生エネは、地球温暖化防止に役立つばかりでなく、“純国産”のエネルギーとして期待も大きい。しかし導入拡大を急げば、安定供給を損なうばかりでなく、家計や企業に過度な負担を課すことにもなりかねない。電源構成は偏ることなく、バランスの取れたものでなければならない。