衆院平和安全法制特別委で、野党の質問に反応する安倍首相。奥は中谷防衛相=28日午後【拡大】
安全保障関連法案の国会審議は序盤から荒れ模様だ。民主党は「答弁が危なっかしい」とにらむ中谷元(げん)防衛相に質問を集中させる戦術を徹底。これに対し、安倍晋三首相自らが盾となり、率先して答弁に立つ場面が目立っている。しかし、28日の審議中、首相が民主党議員に「早く質問しろよ」とやじを飛ばすと、委員会室は騒然となった。
中谷氏は28日の質疑の冒頭、27日に維新の党議員に武力行使と武器使用の違いの説明を求められ「違いが分からないと議論ができない」と答弁したことを「大変不適切だった」と陳謝。これでますます、民主党の照準が中谷氏に集中した。
同時に首相に対しては「答弁が長い」として可能な限り避ける作戦に出た。後藤祐一氏は、委員室にストップウオッチを持ち込み「3分を超える答弁があった」と牽(けん)制(せい)する徹底ぶり。