下院での貿易法案の採決を前に、与党民主党議員の会合を訪れたオバマ米大統領(中央)=12日、米ワシントン(ロイター)【拡大】
【ワシントン=小雲規生】米下院は12日、通商交渉の権限を大統領に委ねる貿易促進権限(TPA)法案を採決し、219対211の賛成多数で可決した。しかし自由貿易で不利益を被る労働者への支援策を定めた貿易調整支援法案は126対302の反対多数で否決。TPA法案と貿易調整支援法案は一体として扱うことになっているため、オバマ大統領の署名を経てTPA法が成立する見通しはつかない状態となった。
TPA法の成立は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の合意に不可欠とされており、今回の投票結果はTPP交渉の逆風となる。またTPP推進のためにTPA法案可決を後押しし、12日の審議開始後に議会入りしてまで説得工作を続けてきたオバマ氏は「明確な拒絶を突きつけられた」(米紙ニューヨーク・タイムズ)かたちだ。
TPA法案を推進してきた共和党のベイナー下院議長は12日の採決直後、否決された貿易調整支援法案の再審議を求めた。オバマ氏も「下院は可及的すみやかに貿易調整支援法案を可決するよう求める」とする声明を発表した。米メディアによると、共和党内からは18日の再投票を目指す声が出ている。