【TPA法案結論持ち越し】分割投票が裏目に 民主党は条件闘争? 協議難航は確実 (1/2ページ)

2015.6.13 21:13

ワシントン中心部のバス停に掲示された、TPP反対を訴えるポスター=11日(共同)

ワシントン中心部のバス停に掲示された、TPP反対を訴えるポスター=11日(共同)【拡大】

 【ワシントン=小雲規生】12日の米下院での採決で貿易促進権限(TPA)法成立が持ち越されたのは、上院では一体化されたTPA法案と貿易調整支援法案の採決を再分割して投票にかけた共和党指導部の戦術が裏目に出たかたちだ。貿易調整支援法案否決を決定づけた民主党下院トップのペロシ院内総務は、可決を目指す共和党に対して「条件闘争」を持ちかける態度も示唆。ただし共和党内では民主党への不信感が強く、今後の協議は難航しそうだ。

 議会で多数派を占める共和党が分割採決を選んだのは、一体採決では貿易調整支援策による歳出拡大を懸念する共和党議員が大量に造反し、否決される可能性があったからだ。一方、分割採決なら、TPA法案は自由貿易に前向きな共和党の賛成で可決できるうえ、貿易調整支援法案は共和党から大量の造反が出たとしても、労働組合を支持基盤とする民主党から多数の支持を集めて可決できるというシナリオだった。

 しかし12日の審議では、これまで法案への賛否を明言していなかったペロシ氏が貿易調整支援法案への賛成がTPA法案成立のお膳立てを整えることに懸念を示し、「反対票を投じる」と表明。これが民主党議員の大半が反対にまわる引き金となって、民主党の支持で貿易調整支援法案を可決するという共和党のもくろみは崩れ去った。

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