【ソウル=名村隆寛】韓国保健福祉省は18日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスへの感染による死者が計23人となり、新たに3人の感染が確認されたと発表した。死者を含む感染者は計165人となった。感染者に接触した疑いのある隔離対象者は同日現在で6700人以上おり、潜伏期間が過ぎて対象外となった者を合わせると、韓国国内で累計1万人を超えた。
韓国を訪問中の世界保健機関(WHO)のチャン事務局長は18日、ソウル市内で記者会見し、「分析の結果、ウイルスは感染力が強くなる方向に変異していないことが確認された」と語り、「密室の環境で伝染するため、大衆への危険は小さい。期待より時間がかかるだろうが終息させられる」との見通しを示した。
聯合ニュースは、13日に感染確認された患者が、今月5~8日に家族ら8人と韓国南部の済州島へと旅行し、滞在中に体調が悪化するなど感染の症状が出ていたと伝えた。また、タイ保健省は18日、同国に15日に入国したオマーンの男性(75)の感染を確認したと発表した。