交渉開始から5年、日本の参加から2年。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉はいよいよ“最終章”を迎えた。交渉の合意に欠かせない米国の貿易促進権限(TPA)法が成立し、参加国の中核である日米はまず両国間の協議決着を目指して大詰めの調整に入る。21世紀型の通商秩序を築くTPPは経済、安全保障の両面で台頭する中国を牽制(けんせい)する意味合いも大きいだけに、交渉合意の“千載一遇”の好機を逃すわけにはいかない。
コメ「折り合える」
「できるだけ早い機会に日米事務レベル協議を再開したい」。甘利明TPP担当相は30日の閣議後会見で、TPA法の成立を受けこう意欲を示した。
日米は週内にも事務レベル協議を再開する。7月中旬には交渉参加12カ国の首席交渉官会合、7月下旬には12カ国の閣僚会合を開いて、全体の大筋合意に持ち込むシナリオを描く。
難航していた日米協議はTPA法の未成立と並ぶ交渉全体のブレーキとされたが、「決着が視野に入りつつある」(交渉筋)。日本の牛・豚肉の関税の扱いでは、現在38.5%の牛肉関税を9~11%程度まで段階的に引き下げる方向。豚肉関税も輸入価格が1キロ約65円未満の低価格品にかける1キロ482円の関税を50円程度まで段階的に下げる案がほぼ固まっている。日本が要求する米国の自動車部品の関税撤廃も品目ごとの調整が進んでいる。