■危機招く“不自由な”為替相場制度
国民投票で緊縮財政を拒絶したギリシャと、株式バブル崩壊状態の中国。危機の外見は全く異なるように見えるが、核心部分には共通点がある。
ギリシャ、中国とも国内の経済情勢に対応する柔軟な外国為替相場制度を持たない。経済学では、為替の固定相場制は独立した金融政策、自由な資本移動と併存できないという「不可能な3角形」という定理がある。
ユーロそのものは変動相場制だが、ユーロ圏のギリシャはユーロ相場を決定付ける金融政策をフランクフルトの欧州中央銀行(ECB)の手に委ねている。今回の危機では、同国内から大量の資本逃避が起き、預金封鎖など資本規制に追い込まれた。
ユーロから離脱して旧通貨「ドラクマ」を復活させたとしても、債務危機はもっと深刻になる恐れがある。ユーロ建ての債務負担はドラクマが安くなればなるほど大きくなるからだが、中長期的には経済再生の視界が開けてくる。自国特有の通貨と中央銀行を持っていれば、金融緩和で自国通貨安に誘導し、ただちに主力の観光産業を活性化して国内経済再生に踏み切れるだろう。
中国の場合はどうか。中国人民銀行が日々設定する中心レートの上下2%の範囲内での変動に制限している。公称は「管理変動相場制」だが、実態は準固定相場制だ。今回の上海株暴落の背景には同制度が大きくかかわっている。