昨年11月には、香港経由の外国人の上海株投資を解禁した。米国からの金融市場開放要求に部分的に応じたのだが、外国投資ファンドは6月初旬、香港を足場に大量に投機買いして1週間後には売り逃げた。こうして上海株の暴落が始まった。
変動相場制なら、思い切った金融緩和政策に踏み切って、元安に誘導できる。海外の投資家に株式市場を全面的に開放しても、為替変動リスクがあるので、大量の株の投機売買を思いとどまるはずだ。
それでも、党中央は元の管理変動制に固執する。万が一、元が暴落すれば、国内経済は大きく混乱し、党支配体制崩壊につながりやしないかと恐れるのだ。ワシントンもそのことは十分承知で、変動制移行の代わりに元の切り上げを迫る。
さりとて、人民元の人為的安定の代償も大きい。不自由な金融政策と元高のために、不況は長期化し、市場不安は慢性化する。どこに行き着くだろうか。(産経新聞特別記者 田村秀男)