欧州議会の会場で、英国独立党のファラージュ党首(左)からギリシャ語で「反対(OXI)」と書かれたプラカードを没収したユンケル欧州委員長=8日、ストラスブール(ロイター)【拡大】
【ベルリン=宮下日出男】財政危機に陥ったギリシャの巨額債務への対応をめぐり、国際通貨基金(IMF)や米国とユーロ圏側との駆け引きが激しさを増してきた。IMFや米国は債務削減を求めるが、ユーロ圏は自国民の負担につながるとして消極的だからだ。新たな金融支援を申請したギリシャは債務再編で負担の軽減を目指すが、厳しい議論となりそうだ。
債務再編が双方の焦点に浮上したのは、IMFが2日に公表した報告書が発端だ。報告書はギリシャについて、今後約3年間で新たに500億ユーロ(約6兆7千億円)の融資が必要で、「国内総生産(GDP)比で30%以上」の債務の削減も必要だと試算した。
ギリシャの2014年末の債務は3170億ユーロで、GDP比177%に上る。12年には民間投資家が多くの債権放棄に応じて150%台に減少したが、予想以上の経済低迷や改革の遅れで再び増大。目標から大きく外れた。
一定の支援が実現しても、借金返済に多くを回せば財政運営が制約されるため、債務削減は必要との見方は専門家の間でも強い。IMFも主要債権者であるユーロ圏に削減に応じるよう求めていたとされ、報告書の公表にはユーロ圏に“圧力”をかける狙いがあるともみられている。