TPP交渉の日米事務レベル協議を終え、記者団の質問に答える大江博首席交渉官代理(左)と米通商代表部のカトラー次席代表代行=10日午後、外務省【拡大】
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉をめぐり、日本が米国産の主食用米を対象に無関税の輸入枠を設け、その規模を年間で最大7万トン程度まで段階的に拡大する譲歩案を検討していることが10日、分かった。同日終了した日米の事務レベル協議で米国側に提示したとみられる。コメの輸入枠の扱いは日米協議で残された最大の懸案で、両国は28日からの交渉参加12カ国による閣僚会合と並行して開く閣僚協議で最終決着を図る方針だ。
日本は世界貿易機関(WTO)の協定に基づき、ミニマムアクセス(最低輸入量)として年間約77万トンのコメを無関税で輸入しており、このうち約36万トンを米国から輸入している。
TPP交渉の日米協議では、日本が輸入米にかける1キロ341円の関税を維持する代わりに、ミニマムアクセスの枠外で主食用米の無関税輸入枠を新設する方向で調整。譲歩案では、輸入枠の規模について、協定発効直後は年間5万トン程度とし、その後10年以上かけて最大7万トン程度まで段階的に広げる。